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SDGs Topics

「高校生みんなの夢AWARD7」、キャリア教育プログラム「いろはライト」がグランプリに

2026.08.24  コラム

ワタミが支援する公益財団法人みんなの夢をかなえる会は2026年8月20日、東京・渋谷の国立オリンピック記念青少年総合センターで「高校生みんなの夢AWARD7全国大会」を開催した。2012件のエントリーがあり、予選を勝ち抜いた10人が登壇して社会課題を解決するビジネスアイデアのプレゼンを行った。グランプリにはキャリア教育プログラム「いろはライト」を提案した大西彩羽さん、準グランプリには柿渋を使った日焼け止めを提案した佐久間幸恵さんが選ばれた。

「高校生みんなの夢AWARD7」は、未来を担う高校生が社会問題の解決と自分の夢を重ね、実現するためのビジネスアイデアを策定するコンテストだ。高校生に「自己の在り方や生き方」と「社会との関わり」を考えるきっかけを提供し、「夢」を持ってもらうことを目的とする。2026年で7回目の開催となった。

同アワードでは、高校生が事前のオンライン学習コンテンツ「ソーシャルビジネス学習プログラム」を受講し、社会課題やSDGs(持続可能な開発目標)について学び、自ら解決したい社会課題を見つける。その課題を解決するビジネスアイデアは、「共感性・社会性」「事業性」「プレゼンテーション」の3つの基準から審査された。

主催者であるみんなの夢をかなえる会は、受賞した高校生の事業計画や夢と関連する国内外研修旅行など、夢にまつわる応援サポートを行う。グランプリには国内外の研修旅行券20万円分、準グランプリには同10万円分を贈る。当日の審査委員長には同法人の代表理事も務めるワタミ代表取締役会長兼社長CEOの渡邉美樹氏、審査委員には鈴茂器工代表取締役会長の鈴木美奈子氏、CFスタートアップパートナーズ(静岡県牧之原市)代表取締役の出縄良人氏が参加した。

 

■「学生の働く」の解像度を高めるキャリア教育プログラム「いろはライト」——グランプリ・未来キャリア賞

岡山操山高等学校の大西彩羽さんがプレゼンするのはキャリア教育プログラムの「いろはライト」。大西さんは「いろはライト」を構想したきっかけについて、「中高一貫校に通っていて、中学校3年生のときに文理選択を考えるように言われて迷った」と切り出す。「日常で出会う大人は両親や先生くらい。世の中にどういう職業や働き方があるか分からないなかで、重要な選択を迫られている」と語る。

こうした学生の「解像度」の低さは、いざ就職してもミスマッチによる早期離職を招きやすい。そうした課題を解決しようと「いろはライト」では、この「解像度」を高めることに注力する。「したくないことはあるが、したいことが定まらずに進路を選ぶ学生が多い。たとえば、これまでは理系科目が苦手だから文系を選択して進路も決めるというような『積み上げ型』が多かった。『いろはライト』が目指すのは、積み上げ型ではなく夢からの『逆算型』の意思決定を支援することだ」(大西さん)。

現在行っているプログラムは、毎月の企業訪問とキャリア教育だ。参加者は進学校や商業高校に通う高校生、中高生など幅広い。事前リサーチや名刺交換などのビジネススキルを身に着けて企業訪問し、働く大人の生の声をインタビューしているという。訪問後は学んだことをもとにして各自が動画やポスターなどの報告資料を作成し、企業や保護者にプレゼンしてフィードバックをもらう。大西さんは「参加回数を重ねることでプレゼン力や文章力など様々なビジネススキルを身に着ける機会になっている」と説明する。

大西さんは「学生が夢を持ち、企業が未来を担う若者を応援する、そんな社会をつくりたい」と夢を語る。自身が大学生になったときには「大学生向けプログラムも展開していく」という。

 

■「柿渋日焼け止め」でインクルーシブな未来へ——準グランプリ・インクルーシブデザイン賞

郁文館グローバル高等学校の佐久間幸恵さんはインクルーシブな「柿渋日焼け止め」をプレゼンした。きっかけはカナダ留学だ。日本から持参した日焼け止めを友人に貸したときに、「私の肌は合っても、友人は白浮きしてしまった。その体験が、自分にとっての当たり前が、誰かにとって当たり前ではないことに気づいた」と明かす。

白浮きの原因となっているのは日焼け止めに使用される紫外線散乱材だ。日焼けの防止効果は高い一方で、白浮きの原因となり肌の色の濃い人にとっては使いにくい。この紫外線散乱材は海洋生態系への影響も懸念されており、多様性と環境の2つに配慮した製品開発が求められているという。

佐久間さんが提案する「柿渋日焼け止め」は、天然由来である柿渋を使うとともに、市販の日焼け止めは10種類以上の合成成分が使われているのに対して「環境に優しい酸化チタンの1種類」だけにして環境負荷も抑える。加えて近年ではUV-B(紫外線吸収特性)も報告されていて、紫外線対策への活用が期待されている。さらに柿渋の自然な茶褐色は多様な肌に馴染みやすいという特徴も持つ。「機能性と環境配慮を両立した新しい日焼け止めとして展開していく」と語る。

佐久間さんは実際に柿渋日焼け止めの試作品を5種類開発して色味や使用感を検証したところ、市販のものに比べて白浮きを抑えられて肌を明るく見せるトーンアップ効果も得られたという。

現在は柿渋の研究や特許を持つマクセルの研究所で指導を受けて専門的な知見を取り入れながら商品化に向けた研究を進めているという。海外展開の可能性も視野に入れる。「ロサンゼルスに本社を置く化粧品メーカーのCEOからは、欧米市場はエシカルかつインクルーシブな商品への関心は高く、輸入基準をクリアできれば十分に可能性があると評価を受けた」とのことだ。

こうした取り組みは地域産業の活性化にも寄与しそうだ。佐久間さんは「この事業は化粧品を販売するだけでなく、近年縮小傾向にある柿渋産業にも新たな需要を生み出せる」と説明する。多様性、環境配慮、地域資源活用を実現するビジネスとして展開していきたい考えだ。

 

■楽しく英単語を覚える「わら単Song Project」——教育イノベーション賞

桐蔭学園中等教育学校の抱井玲奈さんは冒頭、参加者に「英単語の丸暗記は好きですか」と問いかけた。受験勉強で英単語や公式の丸暗記に苦戦した人は多い。抱井さん自身も「何度書いても覚えることができず、悔しい経験をした」と振り返る。

あるとき、歴史の用語をつぶやきながら勉強していると、「隣にいた母が、私のつぶやきを聞いて学生時代に口ずさんでいた替え歌を急に思い出して歌い始めた」という。抱井さんはこうした経験から「どうして歌は何十年も覚えているのに、昨日勉強したことは忘れてしまうのか」と疑問を抱いて調べてみると「音やイラスト、ダジャレなどを組み合わせることで記憶に残りやすいということが分かった」。

そうしてAIも活用しながら制作したのが、楽しく英単語を覚える「わら単Song Project」だ。中高生32人に英単語帳と「わら単」で比較実験を行ったところ、48時間後の正答率は単語帳が25%に対して、「わら単」は84%という結果に。アンケートでは歌・イラスト・ダジャレのうち、記憶に残るものは人によって様々であることも分かった。この結果から抱井さんは「人は覚えられないのではなく、まだその人に合う覚え方に出会っていないだけだ」と気づいたという。

抱井さんは「わら単」を高校生向け英単語アプリとして始めていくが、将来的にはAIでその人の学習履歴や歌・ダジャレ・イラストへの反応を分析して、一人ひとりに合った覚え方を提案できる教育サービスへ発展させていきたい考えだ。

抱井さんは「私の夢は学び方が合わないという理由で夢や自分の可能性を諦めてしまう子どもをなくしたい。みんな同じ覚え方でいい、という学び方を変えて、誰もが自分に合った覚え方を選べるようにしていきたい」と語った。

 

■男子高校生の「スキンケア迷子」を終わらせる「SkinU」——メンズウェルビーイング賞

「昔、僕は肌荒れに悩み学校でも『肌が汚い』と言われていた。こんな状況を解決したいとスキンケアを始めたが、待っていたのは大量のスキンケア商品が薬局に並んでいて、自分の肌に合った商品がどれなのか分からないということだった」こう振り返ったのは、佼成学園高等学校の星晴登さん。実際、最初に選んだ乳液は星さんの肌に合わずに、むしろ肌荒れを悪化させてしまったという。こうした悩みは星さんに限らない。「実際にスキンケアを始めたい・続けたいときに、どんなスキンケア商品を買えばいいのか分からないのが一番の障害になっている」という。

そうした自身の経験などをもとに始めたのがスキンケア製品紹介サイト「SkinU」。利用方法は自分の肌の画像をアップロードして簡単な質問に答えることで、自分にあったスキンケア商品を知ることができるという。「SkinU」を運営するにあたっては10人の皮膚科医にインタビューを実施し、5人の皮膚科医と提携・協力。現在の総ユーザー数は2000人を超えているという。肌分析のほかにも、日々の肌の状態を記録するログ投稿や、同じ悩みを持つ人たちと共有することのできるコミュニティ機能などがある。

効果も実感している。「SkinU」でおすすめされた商品を使ってみるテスター検証では、テスターの90%が2週間で効果を実感し、あるテスターは肌がきれいになったことで「自分に自信が持てた」と語った。この言葉で「『SkinU』を運営する意義が分かった」と星さんは語った。

収益化モデルとしては「アフィリエイト」や市場ニーズのデータを化粧品メーカーに販売する「データ販売」、それに加えて、薬局向けにカスタマイズして導入することで店舗にある商品から肌に合った商品を提案するという「薬局導入」の3つ。薬局導入に向けてはスギ薬局の都内3店舗で実証実験が進んでいるという。

星さんは「容姿をバカにする言葉はなくならない」からこそ、「自分に合ったケアを選択して前向きになれることが必要だ」と強調した。

 

■雑草から作る新生分解性ポリポット「ECOPO」でごみから資源へ——環境アクション賞

トキワ松学園高等学校の李ソウォンさんがプレゼンしたのは、雑草から作った新生分解性ポリポットの「ECOPO」だ。

雑草は家や学校でもむしられて、「価値のないもの」として捨てられる。李さんがこれを問題視したきっかけは、そうした雑草が焼却されていることを知ったからだった。「雑草が新しいものに生まれ変わり、新しい価値を見いだすことができれば解決できるのではないか」。

一方で、植物を育苗する際に使うポリポットの多くはプラスチック製であるが、それらの多くはリサイクルされていない。捨てられてしまう雑草と、リサイクルされないポリポット。この2つの点を結んで開発したのが新生分解性ポリポット「ECOPO」だ。李さんはこの「ECOPO」を通じて「捨てられるものにも価値がある」ことを伝えたいという。

李さんは「ECOPO」を活用した4つのビジネス展開を構想する。1つは学校教育での活用だ。小学校5年生を対象にして、理科や社会で学んだ植物や環境の知識をもとに雑草ポリポットについても学んでもらう「学校の授業で学ぶ」、実際に自分で雑草ポリポットを作ってゴミから資源になる過程を体験する「作って学ぶ」、そして自分で作ったポリポットで植物を育てて、育つ過程や分解の様子を見る「育てて学ぶ」の3つが体験できるという。この学校教育での活用を柱に、ポリポット販売、ワークショップ、栽培キットでビジネス化する。

「ECOPO」開発では仮説検証を繰り返し、現在は絹さやえんどうで実際に育つかを検証しているという。加えて、全国の高校生とともに学生団体を設立し、「捨てられるものの価値を伝えるための活動を始めている」と語った。

 

■世界に平和を広げるアイスクリームショップ「PeaceCream」——平和コミュニケーション賞

NUCB International Collegeの川村琉美さんがプレゼンしたのは世界に平和を広げるアイスクリームショップ「PeaceCream」だ。川村さんは沖縄や川崎、広島平和記念公園の訪問を振り返り、「平和ではなく戦争が残った重くるしい体験だった」。このことが原点となった。

では「平和を感じる瞬間」とはどういうときか。川村さんは友人と楽しくしゃべっているときに友人が言った「今が平和だよね」という言葉にヒントを得た。「平和を感じるというのは、人が幸せを感じるその瞬間のことではないか」。このような気づきとともに、「戦争を伝える施設はあっても、平和を感じる場所がない」と考え、「PeaceCream」を構想した。

アイスクリームを選んだのにも理由がある。1483人の学生にアンケートしたところ、高校生が一番好きなのがアイスで、食べているときに「幸福感を感じる」と答えた人は44.8%にのぼったという。「アイスを食べながら友人や家族などとの自然と会話が生まれて、重くなり過ぎずに平和を感じることができる」(川村さん)。

「PeaceCream」では、自分を幸せにするピースフレーバーを選べて、そのフレーバーでピース診断が行えるという。診断でそれぞれの人のタイプ(ピースキャラクター)や、どんなときに平和を感じるかが分かるという。各種ピースグッズには、日常で平和を感じられるような小さな行動を提案してくれる。

川村さんは「常設店舗を広島平和記念公園の近くに出店し、そこから世界中に店舗を拡大したい」と目標を持つ。「戦争を学んだその先に平和を感じ、それを家族や友達に広げていく、「PeaceCream」でそうした取り組みを行っていきたい」と語った。

 

■地域の樹木「櫨』を中心とした循環型社会へ——地方創生賞

「皆さんのふるさとでは人口減少や高齢化によって昔から受け継がれてきたものが失われていませんか」。こう参加者に問いかけるのは、大洲農業高等学校の片山璃奈さんだ。

大洲農業高校のある愛媛県大洲市はウルシ科の櫨(はぜ、ハゼノキ)が有名だ。秋になると櫨並木が赤く色づくとともに、木蝋の原料にもなり、人々の暮らしや地域産業の一角を担ってきた。しかし人口減少や高齢化、時代の変化によって櫨産業は衰退していったという。

片山さんによれば、櫨産業の難しさは発芽率で、発芽するのは6%だという。種子が蝋質に覆われ吸水しにくいことから、苗をつくることが困難だった。片山さんは櫨産業の再興に向けて、この発芽率を科学的なアプローチで向上させた。発芽率は80%まで向上して安定的に苗を育てることを可能にした。現在は地域と連携して、櫨園の再生や櫨製品の開発に取り組んでいるという。直近では三重県や高知県の高校と連携して櫨の栽培に取り組むことも決まったという。

片山さんは「私がつくりたいのは、櫨を中心とした循環型社会」だと言い、そのロードマップを次のように明かす。「まずは大洲で櫨を育てて商品を開発し、価値が循環する仕組みをつくっていく。苗木販売、商品開発、技術普及を組み合わせて売り上げを立て、その利益を地域づくりや環境活動へ循環させ、全国に広げていきたい」。

「櫨をきっかけにして、人と自然がつながる産業創出を」。片山さんは力強く語っていた。

 

■宮島のプラゴミを再生する「ゴミガチャ」——循環型地域づくり賞

世界遺産・厳島神社がある広島・宮島には、県民の倍にあたる年間500万人の来訪者が訪れる。その来訪者の多さによって起きているのがゴミ問題。ゴミ箱が島内に2カ所しかなくポイ捨ても多いなかで、有志の市民がゴミ拾いを行っているという。

「世界のみんなでワクワクしながらゴミ問題を解決する方法はないか」。そんな思いから広島桜が丘高等学校の佐々木怜さんが構想したのが「ゴミガチャ」だ。

再生資源であるペットボトルのゴミを3Dプリンターでお土産に加工して「ゴミガチャ」として販売し、その収益でゴミ箱の設置などを行っていく。佐々木さんは個人事業主として、カプセルトイ1台で市販の製品3000個を売り上げており、自信はある。

「ゴミガチャ」の可能性はゴミ問題の解決にとどまらない。たとえば、宮島に出店する事業者の商品をモチーフにしたガチャを販売することで、『ゴミガチャ』をPR素材とした観光領域の拡大に資することも可能だ。

佐々木さんは「この活動は世界のどこでもゴミを資源として無限に活用できる」と強調した。

 

■宇宙視座で次世代リーダーを育てる「OVERVIEW ACADEMIY」——グローバル・シチズンシップ賞

土浦日本大学中等教育学校の佐野智武さんの夢の原点はプラネタリウムだった。「宇宙から地球を俯瞰すると、空気も海も全部つながっていて、まさに宇宙船・地球号だった。この船からは降りることはできない」。しかし普段はこのことを忘れている。学校でSDGsを学び、ニュースで社会課題を目の当たりにする機会は多いが「自分事として行動できている人は10%ほどしかいない」という。

どのようにすれば、社会課題を自分事としてとらえて行動できるようになるか。佐野さんは原点であるプラネタリウムに立ち返る。飛行士は宇宙から地球を見たとき、価値観や人生観が変わるような強烈な意識変容に見舞われる例が多いという。「ここにあるのは、自分も地球の一部であるという感覚だ。こうした体験をたくさんの人に届けたい。そこで立ち上げたのが宇宙視座で次世代リーダーを育てる『OVERVIEW ACADEMY』だ」。

「OVERVIEW ACADEMY」は小学生から高校生までを対象とし、事前学習、VR体験、内省、対話、行動宣言・実践の5つからなる。VR体験による効果は大きく、佐野さんによれば中高生30人で実験したところ、参加者は環境意識など5つの指標で上昇したという。こうした視座の変化を図るための視座診断アプリ「MetaScope」も開発し、すでに135人がアプリを利用した。学校教育でも活用するために、教科書やワークシート、行動伴走アプリも開発する。

佐野さんは「VR体験をして終わりではなく、たとえば地球のためにマイボトルを使う、平和のためにSNSで対立ではなく対話するなど、宇宙船地球号の一員として行動を宣言し実践していくことにつなげていく」と話す。こうした宇宙視座に立つ「OVERVIEW ACADEMY」を通じて教育価値の向上にも貢献したい考えだ。

 

■誰もが旅行を「行ける」だけでなく「楽しめる」へ——ユニバーサルデザイン賞

「私の夢は誰もが楽しめる旅行が当たり前になる社会をつくること」。こう夢を訴えるのはTrinity Pawling Schoolの正野幹泰さんだ。

「楽しめる旅行」とは何か。正野さんがこの問いを考えるようになったのは、車いす生活をするいとこの存在だった。正野さんはいとこと幼いころから一緒に旅行してきたというが、あるとき、いとこが「一度でいいから山登りして、きれいな空気を思いっきり吸いたい」と漏らしたという。「私はこのとき旅行に行けることと、楽しむことは決して同じではないことに気づいた」。

実際に正野さんがあるリゾート施設で調査すると、移動や案内で困ることがあるのは一般の人でも同様だった。現地調査や従業員へのインタビューを重ねて分かったのが、「利用者が本当に必要な情報が不足していること」だった。

正野さんは「本当に必要な情報」について、「安心して移動できることと、大切な人と楽しめること、この2つの情報」だと強調する。そこで正野さんが構想する観光体験プラットフォームでは、車いす利用者視点の動画や観光地の混雑状況、トレイや段差の有無、レビューなどをもとに「楽しめるか」を可視化する。「これまでの既存サービスは『行ける』ことに重点が置かれ、『楽しめる』が無かった。この『楽しめる』を可視化することが私のプラットフォームの強みだ」と強調する。

収益はアクセシビリティガイドの制作や評価サービス、施設掲載料、予約手数料の4つの柱で考える。正野さんは「私の夢は『行ける旅行』から『楽しめる旅行』に変えること。障がいの有無に関わらず、ここに行ってみたいと思ったときに一歩踏み出せる社会をつくりたい」と語った。

 

■渡邉審査委員長「非常に接戦だった」

渡邉美樹審査委員長は総評のなかで「二次審査・三次審査から見てきて、今日までどれだけ努力してきたかが分かる内容でした」と話し、各ファイナリストが競り合う「非常な接戦でした」とも明かした。

渡邉審査委員長は「夢は、『どうしても叶えたい』という思い、そして日付を入れて、しっかりと勉強して計画化することで、夢の実現に近づきます」としたうえで、「次回も同じ会場で全国大会を開催します。今日の参加者の皆さんが、今度はこの壇上で夢を語ってほしい」と呼びかけた。

http://www.minnanoyume.org/

オルタナ編集部 萩原 哲郎氏

 


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