株主様の皆様へ トップメッセージ
代表取締役会長 兼 社長 CEO

国内外食が牽引して増収増益
力を蓄えて好機に備える
―物価高など厳しい外部環境が続く中、2025年度は増収増益の見込みです。振り返ってみて、どのように感じていますか。
居酒屋業態の好調を支える宴会需要
約100店舗で月間最高売上更新
2025年度は、総じて堅調な1年であったと評価しています。国内外食事業が全体の業績を大きく牽引しました。特に居酒屋業態においては、年末商戦で約100店舗が月間最高売上を更新するなど、宴会需要が好調に推移しております。コロナ禍を経て宴会に対応可能な店舗が減少する中、団体のお客様の需要に着実にお応えできていることが当社の強みとなっております。
宅食事業は減益となりましたが、これは新商品の開発や次なる成長に向けた広告宣伝・営業活動への先行投資によるものです。新商品「好い日の御膳」は、販売開始から約4か月で累計300万食を突破するなど、順調な立ち上がりとなっております。
冷凍惣菜の「宅食ダイレクト」も好調に推移しており、宅食事業全体の年度末の食数は、前年度の24万食から28万食へと大きく伸長しました。
海外事業においてもアジア各国への店舗展開などにより堅調に推移しています。グループ全体として、今後の成長に向けた確かな手応えを感じた1年となりました。
―今後の外部環境については、どのような見通しを持っていますか。
今後の外部環境については、不確実性が高く、かじ取りの難しい局面が続くと見込んでおります。
中東情勢の緊迫化や原油価格の高騰、そして国内におけるインフレや円安基調は今後も継続すると予測しています。このような環境下において、ワタミグループでは2026年の指針として「蟄居待時(ちっきょたいじ)」を掲げました。「力を蓄えて好機を待つ」という意味です。単に機を待つのではなく、強い商品開発や人材育成に取り組み、事業基盤を一層強化することで来るべき好機に大きく飛躍できる態勢を整えてまいります。
各事業の取り組み方針と
「WATAMI」米国初出店
―各事業の進捗状況と、今期の展開についてお聞かせください。
〈国内外食〉サブウェイ事業は経営を引き継いでから約1年半が経過し、順調に成長を続けています。既存店売上は2月時点で65か月連続の前年超えを達成しました。ワタミグループの認知度と信頼性を背景に、商業施設からの出店要請やフランチャイズ加盟の申し込みも多数寄せられています。2025年度の約40店舗の出店に続き、今期は50店舗以上を出店する計画です。
また、サブウェイ日本国内の購買物流・管理業務をワタミ仕入部に移管したことで、高品質な食材をより効率的かつ安価に調達できるようになりました。商品面でも季節ごとの新商品を強化するほか、昨年から全店で販売を開始したクッキーや刷新したコーヒーも非常に好評をいただいております。
居酒屋・焼肉業態も引き続き好調です。メーカー品から“手づくり”への切り替えを進め、商品力を高めたことがお客様からの高い評価につながっています。また、物価高が続く中でも値上げをせず、メニューミックス等の工夫により原価率をコントロールしています。
「ミライザカ」「三代目鳥メロ」はともに10周年を迎え、ブランドとしての地位が着実に確立されてきました。今後は周年施策などを通じて、さらなるブランド価値の向上を図ってまいります。
「TGI フライデーズ」と「bb.q オリーブチキンカフェ」も着実に売上を伸ばし、好調に推移しています。TGI フライデーズは新宿歌舞伎町の一等地への出店が決定しており、またbb.q オリーブチキンカフェについても出店を再開していく方針です。
米国ロスアンゼルスにオープン
居食屋「Hayama by WATAMI」
〈海外〉今春には、米国ロスアンゼルスに居食屋「Hayama by WATAMI」をオープンいたします。白を基調とした安らぎのある空間で、寿司や小料理をはじめとする多彩なメニューを提供します。Hayamaはロスアンゼルスで長年親しまれてきた名店であり、コロナ禍の影響により閉店しましたが、ワタミUSが運営する形で生まれ変わります。両者の強みを融合し、米国市場における新たな居酒屋モデルの確立を目指してまいります。
さらに、テキサス州ヒューストンでは「焼肉のWATAMI」全米1号店を年内に出店する計画で、米国での事業拡大を進めてまいります。
アジア各国での出店も順調に進んでおり、今期中に海外事業全体で現在の83店舗から100店舗体制への拡大を目指してまいります。
「好い日の御膳」累計300万食突破!
おかずのみ450円、ごはん付きは500円
〈宅食〉昨年秋に全国販売を開始した新商品「好い日の御膳」は、販売開始からわずか4か月で累計300万食を突破し、1日4万食のペースでお届けしています。配送料込みで1食450円(ごはん付き500円)という低価格でありながら、12品目以上の食材を使用し、カロリーや塩分といった健康面にも配慮し、おいしさも追求した商品ですので、まだまだ伸びしろがあると思っています。今後はマーケティングを強化し、さらなる認知拡大を進めてまいります。
また、従来からの定番商品である「まごころシリーズ」についても、出汁と健康訴求による差別化を図りながらメニューの充実を進めてまいります。
冷凍惣菜の「宅食ダイレクト」も売上が大きく伸長しております。ワタミファーム産の有機野菜の活用や手づくり感を高めた商品など、お客様の声を反映した商品開発を進めています。
新シリーズ「満足ディッシュ」も好評であり、今後さらにラインナップを拡充してまいりますので、ご期待ください。
〈農業〉2025年度は、農業事業において初めて黒字化を達成しました。最大の要因は、国内外食事業や宅食事業において、ワタミファームで育てた有機農産物を積極的に活用する方針を明確にしたことです。以前は価格面から自社グループ内での利用が限られていましたが、「高くてもおいしさと安心で差別化する」という考えのもと、グループ全体での活用を進めてきました。北海道美幌峠牧場のグラスフェッドアイスをはじめ、お客様にも有機食材の価値を実感していただいております。グループ内での活用を拡大することで、ワタミファームの経営基盤をさらに安定させてまいります。
4月からは、千葉県香取市で米づくりを開始しました。円安基調が続く中、日本の米価は高止まりが予想されますが、輸入に頼るのではなく、品質の高い国産米を自社で生産することで、安定した調達体制の構築を図ります。ワタミグループは、千葉県山武市や香取市佐原地域で20年以上にわたり有機農業に取り組んでおり、長年にわたり地域の皆様との信頼関係を築いてまいりました。今回の香取市での米づくりも、その信頼を基盤に実現したものです。将来的には、全量を自社で生産することを目指し、取り組みを強化してまいります。
歩みを止めず継続する
環境・社会・人材への取り組み
―SDGs、地域・社会貢献へのワタミの取り組みについてお聞かせください。
ワタミオーガニックランド産ぶどうを使用
復興の象徴として、地域とともに育むワインづくり
東日本大震災から15年目となる今年、岩手県陸前高田市のワタミオーガニックランドは5周年を迎えます。決して平坦な道のりではありませんでしたが、復興の一翼を担い、ワタミモデルを象徴する拠点として、これからも大切に育てていきたいと考えております。陸前高田市と連携して取り組んでいる森林保全活動も着実に広がっており、今後も継続してまいります。
3月には、北海道美幌峠牧場が環境省より「自然共生サイト」として認定されました。これは、2030年までに陸と海の30%以上を保全する国際目標「30by30」の達成に向けた制度であり、牧場としては国内初の認定となります。今回の認定取得をモデルケースとし、全国に展開するワタミファームの各拠点においても、生物多様性に配慮した循環型農業および酪農のさらなる推進を図ってまいります。
―「社員の幸福」向上の取り組みについて、方針をお聞かせください。
「健康経営優良法人」に5年連続認定
賞賛の機会を大切にして社員の幸福度も向上
2026年も、社員の健康と働きやすさを大切にする企業として、国が認定する「健康経営優良法人」に5年連続で認定されました。社員の幸福度向上に向けた7項目の指針を設定しており、昨年度は5%の賃上げを実施した結果、社員の幸福度に関するアンケートの数値も大きく向上しました。2026年度は、さらに7%の賃上げの実現を目指しております。今後も賃上げの実現に向け、外食事業・宅食事業をはじめ各部門が高い目標を掲げ、全社一丸となって取り組んでまいります。
―最後に、株主様へのメッセージをお願いします。
ワタミグループでは、5年後、10年後を見据え、それぞれの事業において未来に向けた布石を打っているところです。これらの取り組みが軌道に乗り、実を結ぶことで、さらなる成長が実現できると確信しております。これからも自然エネルギーを利用した循環型6次産業「ワタミモデル」を国内外に広げながら、挑戦を続けてまいります。株主の皆様には、今後ともワタミグループへの変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。